色の勉強
私たちのまわりには、さまざまな色があります。
色のヒミツを学んで、快適なライフスタイルを送りましょう!
色の三属性
色は、色相、明度、彩度の三つの属性によって分類することができます。
- 色相について
- 色相とは赤や黄、青などの色みの違いのことです。
- 赤、緑、青、黄を基本に、その心理補色を対向位置にならべたものが色相環です。
色相環で隣り合った色(黄に対して黄緑または橙)を類似色、
向かい合った色(橙に対して青)を補色という。 - 色相の違いは、暖かい色、冷たい色というように、色の寒暖感と結びついています。
一般的に、赤・橙・黄を暖色、青・青紫を寒色、その中間の緑・紫を中性色といいます。- 暖色
- 寒色
- 中間色
- 暖色系は、暖かみはありますが、少し落ち着きをなくす要素もあります。
元気になりたいなら暖色系の色を合わせて、落ち着きが欲しいなら寒色系の色を。
また、暖色系の色は時間を長く感じさせ、寒色系の色は時間を短く感じさせます。
- 明度について
- 明度(めいど)とは色の明るさの度合いのことです。
最も明るいのは白、最も暗い色は黒です。
明度の高い色(明るい色)は、軽く、柔らかく見え、明度の低い色(暗い色)は、重く、硬く見えます。- 明度の高い色(明るい色)
- 明度の低い色(暗い色)
- 明度の高い白、黄、赤などの色は膨張色で、見かけの大きさが大きく見え、明度の低い黒、青は収縮色で小さく見えます。
青や緑などの色は後退色といい、見かけの距離が遠くに感じるので、圧迫感が無く、部屋が広く見えます。
逆に赤や黄などの色は進出色といって、見かけの距離が近くに感じます。
- 彩度について
- 彩度(さいど)とは色の鮮やかさの度合いのことです。
暖色系で彩度が高い色は人の目を引きつけるので、派手な印象があります。 反対に、色みをおさえた彩度の低い色は地味な印象になります。- 彩度の高い色(鮮やかな色)
- 彩度の低い色(地味な色)
色の配色
配色とは、2色以上の色を組み合わせることで、色の組み合わせによって様々なイメージや視覚効果を生み出します。
配色を決める時には、まずは基本となる色を1色決め、その色を引き立てる色と全体を引き締める色という形で決めていきます。
色を効果的に組み合わせることで目的に合った調和感が得られます。
壁や床、天井などの色の濃淡を変えることで、部屋の広さの感じ方は大きく違ってきます。
- 明るい色で統一する
部屋全体が広く大きく感じさせる。 - 壁、天井に濃い色を
部屋全体が小さく狭く感じさせる。 - 床、天井に濃い色を
横への広がりが感じさせる。 - 床に濃い色を
安定感のある落ち着いた雰囲気で、空間を広く感じさせる。 - 天井に濃い色を
広い部屋が引きしまって感じさせる。
部屋と色
- リビング
- 家族や友人、知人と過ごす憩いの場です。
長時間いても疲れないように、明るさと楽しさ、安らぎとくつろぎを感じる色に。
親しみを感じやすく、広がりを感じさせるオフホワイト系や緑色が適しています。
暖かみのある部屋は気分が休まります。心休まる楽しい雰囲気を演出する為に優しい色使いの暖色系やベージュ系もおすすめです。
- キッチン
- 楽しく料理ができ、作業効率や安全性に配慮し、料理をおいしく見せることも考えましょう。
赤、橙、黄などの暖色系は料理をおいしく見せてくれ、食欲も増します。
ただし、これらの色は色みが強すぎると、圧迫感を与えますので、ポイントとして使用しましょう。
冷蔵庫や食器棚の色は壁とのバランスを考えましょう。
- バスルーム
- 一日の疲れを癒す場所ですので、気持ちをリフレッシュさせる色を。
寒色系の青などにすると冬は特に寒く感じるので、暖色系の明るい色に。
明るい色は空間を広く見せてくれ、圧迫感が減ります。
狭い空間なので、暗く重い色はさけましょう。
薄い桃色がおすすめです。皮膚の色を美しく見せる効果があります。
- ベッドルーム
- 睡眠をとる場ですが、着替えをしたり、読書をしたりと個人的に様々な用途で利用する場です。
くつろぎやすさや安らぎを考え、優しい柔らかい配色にするといやされます。
- 子供部屋
- 子供が遊んだり、学んだり、眠ったりする場です。
幼少期は赤、黄、青などの色みの強い、明るい色にすると創造性豊かで楽しく元気な雰囲気に。
学習が中心な年齢になったら、ナチュラル系にパステルカラーをアクセントにするとよい。
色の特徴
色は人の気分を大きく変える力を持っています。上手に色を使えば心をいやす効果も期待できるのです。
色を自由に使いこなすことで、空間をどのように活かすことも可能です。
生活の中に色をうまく取り入れて色の効果を利用してみましょう。
- エネルギッシュで情熱的 彩度を低めにすると落ち着いた雰囲気に、明度を高くすると優しい雰囲気になります。
- 橙・黄などの明るい色を組み合わせれば、とても明るくて元気な様子が表れます。
赤は暖色であり、料理をおいしく見せてくれるのでキッチンなどに向いています。
- ポップでカジュアル! 太陽を連想させる明るいイメージで、人をどんどん元気にしてくれます。
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彩度の高い色みは元気で活発な印象も高く、ポップでカジュアルな雰囲気に仕上げる事もできます。
ちょっと休みたい時には逆効果。そういうときは、反対色の青を。
子供らしさもある橙は幼児の好きな色の1つでもあります。
暗い色と組合せばコントラストが強くなり、橙に黒を混ぜれば大地の色に。 - 濃すぎに注意!明るく、活動的。心を弾ませ軽やかで楽しい気分にさせてくれ、色相の中で一番明るい黄色は
コミュニケーションの色と言われ、橙とともに社交的になれます。 - 黄に類似色の橙色を組み合わせると、さらにポップでカジュアル、遊び心いっぱいの配色になります。明るい黄にもっとも明度の低い無彩色の黒を組み合わせると非常にコントラストの強い、よく目立つ配色に。 形よりも色に敏感な幼児は明るい黄や暖色系の赤や橙が大好きです。
- 安心感を与える色 緑は最もなじみやすくて、心休まる色です。
- 緑には黄みをおびた黄緑から青みがかった青緑まで、非常に豊富な色相のグラデーションがあります。 それを生かした濃淡の色使いに注意し、グリーンの同系色だけでまとめれば多彩な表情が生まれます。暖色や寒色のどちらにも属さない中間色として静かで、落ち着いた印象があり、どの色ともうまく調和します。緑は寒色ですが、暗い所でも識別が容易で、白と組み合わせると目立つ配色に。
- シャープでさわやか 仕事部屋や書斎など、アイディアを練る場所で活用しましょう。
- 微妙な色の差異をもつ青は、さまざまな色調のニュアンスをもっています。
夏などに涼しげな配色をしたい時は、色の単調さを感じさせない青の濃淡でまとめると良いと思います。
冷たいイメージを与える場合もあるので、青が濃すぎたり、多すぎたりしないよう注意。 - 高貴で神秘的!古来から高貴というイメージを持ち、重厚感があり、神秘的な色です。
- 暖色系の赤と寒色系の青が溶け合っている紫は、その正反対な色の対比から不思議な色の魅力をもちます。
彩度が鮮やかになるほど派手な雰囲気になり、彩度を低くすると上品で落ち着いた印象になります。
上品で高貴なイメージとともに、下品な印象も与えてしまうので難しい色でもあります。
好き嫌いの好みも分かれてしまいやすい色なので、リビングなどたくさんの人が集まる場所には不向きです。
寝室などには向いていますが、使い方1つで表情ががらりと変わるので、色みや配色に注意が必要です。 - パステルカラーの代表色 女性らしさを強く印象付ける色です。可憐さやキュートさ、また癒しの色としても表現できます。
- 桃色は赤に白を混ぜた優しい色合いの色です。 赤みの強い暖かさを感じさせるものと青みの強い色があり、その色調の違いで受け取る側の感情に差が出てきます。
赤紫に近い赤を薄めた色はサーモンピンクと呼ばれ、親しみやすさと暖かみが漂いカジュアルな親近感を与えます。
濃い桃は赤の効果ももたらしますので、寝室などには不向きです。 - 大地や木の幹や土の色 気持ちを落ち着かせて安心感、安定感を与える色であり、重厚感があります。
土の色を連想させる茶は人の和を保ち、人間の拠り所を示します。 - 内面に橙の持つ心の温かさを秘めた色です。白を混ぜるとベージュにもなります。家庭の和を保つ色であり、リビングルームに適する。控えめの色ですので他の色と合わせやすく、明るい橙や黄などと組み合わせれば、適度な明るさを得られます。
グラデーションや対比をうまく利用すると、緊張の和らぐ落ち着いた部屋に。
重厚感があるので、多用しすぎると圧迫感を感じたりもします。 - すべての色を吸収 重厚感と高級感をもち、神秘的な雰囲気を与えます。
内に秘めた色であり、閉鎖的で孤独感も表します。 - 黒は無彩色の中で明度の無い色で、白と対照的な色です。
黒にはあらゆる色相が含まれており、いろいろな色を混ぜていくと限りなく黒に近づきます。
色の優しさには欠けていますが、シンプルなのでとても使いやすく、存在感の大きな色です。
白と組み合わせるときはコントラストがきついので、注意が必要。
黒を純粋さと清潔感良いイメージで捉えられています。 - 純粋さと清潔感 白は純粋さや平和、清潔感といった清らかなイメージがあります。
知性や理性の現れ。白黒は対比して用いられ、一般的に白の方が良いイメージで捉えられています。 白は存在感ももっています。 - 無彩色の中で、一番明度の高いのが白です。 またどんな色にも合わせられるので、親しみやすい色です。
ほかの色と組み合わせる時は相手の色に白を混ぜた優しい色合いの色をもってくればしっくりと落ち着きます。
白はどの色とも合う分、いろいろな色を組み合わせると、白が目立ちすぎてしまうという欠点もあります。
相手の色が暗ければ暗いほど白の明るさは強調され、不調和になってしまいます。
白は汚れやすいというイメージもあるので、白の清潔感が失われないように明度が高い優しい色でまとめるのが無難です。